みなさまのおかげです!


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2006年5月2日に八丈島フィッシングCLUBさんで冷凍保存していただいたものをクール宅急便にて自宅に発送。
5月3日、帰宅後調理前にシャーベット状になった烏賊を広げ撮影。

魚種 アオリイカ (アカイカ系?)
胴長 58僉 閉狆紊欧針蒜板蕕之廚辰燭60cm、放置&移動&冷凍で縮む???)
重量 5.4kg(5350g) (八丈島フィッシングCLUBにて2006年5月1日午後8時過ぎ 久保田様検量)
   

日時

2006年5月1日 午後7時過ぎ
場所 八丈島 底土港
気象条件 南西の風約7メートル 気温約17度
中潮 (上潮 干潮13:08 満潮20:29)
   
ロッド DAIWA STX-EG 84H-HD Emeraldas エメラルダス(インターライン)
リール DAIWA EXIST 2506 (ドラグ調整0.8kg)
ライン SHIMANO Eginger PE 0.8号
リーダー DAIWA エメラルダス・エギリーダー2号
ライン結束 ノーネームノット改(重見さん風)
スイベル E.G.ワイドスナップ #1
スイベル結束 ブリンソンノット 5回巻き
エギ  DAIWA 餌木イカ名人 MONSTER-ONE/DEEP 赤-パープル/ピンク 4.25号 白アワビシート貼付


PM6時30分頃 底土港右先端 どん底

7メートル前後の南西の風が吹く中、追い風の底土港で投げつづけるもアタリすらない。昨日の昼に八重根港で3.3kgをあげた後、2回ほど強烈なバラシ。烏賊はいるはずだ。ずる引き、スラックジャーク、トリプルアクセル、グラインディングジャーク、1段シャクリ、2段シャクリ、12段シャクリ(9段がやっと)、3回連続横ジャーク、連続トゥイッチ、そして長いテンションフォールとステイ。時折、ベールを戻してのフリーフォールも試みる。思いつく限りの手法を組み合わせて試すがまったく反応がない。挙句、根掛り。横で黙々と自作6号エギを投げていた地元釣り師に「お〜、そんなんでも(小さいエギ)でも根掛りするんだぁ〜」とか言われる。 「底だけはちゃんと取ってますからねぇ、底だけは……」と内心つぶやく。しかし妙な根掛り。ラインを引くとナイロンで釣りをしているみたいに1メートル以上にゅう〜と引っ張れる。「ロープっすかねぇ?」と聞くと、「ロープなんかないよ、ここは!」とのこと。後から来て私の釣り座のすぐ横に陣取られ、少し機嫌が悪くなっていたが、根掛りがきっかけで会話が成立。「許そう」という気持ちになる。しばらく根掛りを外そうと苦戦するものの、リーダーが途中から切れる。嗚呼。


PM6時40分頃 底土港左先端 転機

新しいエギを付け直して気分も一新。 左先端にロッドを持ってちょいと移動。ダイワのSTX-922MHで得意の超ロングキャストで沖を攻め続ける同行の釣り師匠松矢氏にちょっかいを出す。煙草に火をつけ、厳しい状況について少々話す。ふと横を見ると許したはずの地元釣り師が私の釣り座にクーラーを移動している。「ここ取っていい?」とすごく嬉しそうな顔で言われる。思いとは裏腹に「いいです、いいっ!オッケー!どうぞ!」と2度目の「許しッ!」を発動する。満面の笑みを返されて、微妙に嬉しくなる。しかし、彼も根掛り。「おおっ!こりゃロープだぁ!」だから言ったでそ……。慈愛光線を投げかける。

釣り座も取られたので、師匠松矢氏の右横で間借りして投げさせてもらう。松矢氏の華麗なるロングキャストの横で投げるのは、あまり気分の良いものではない。華麗さはある意味威嚇である。私の下手なキャストでも、ダイワSTX-84Hや93Hならば気持ちよく飛んで行くこともある。技術の低さをロッドでカバーする。飛距離では負けても、しゃくりは負けない。しゃくりで威嚇しようと思うが、相手にされない。

ああ、飛んだぁ、とか思ってしゃくっていると、再度根掛り。今度はリーダーも切れて、ラインシステムを組みなおす。風が吹きすさぶ中『エギングファイルII』でにわかおぼえたノーネームノット改スーパーエギンガー重見ノットはいい感じ。右横では地元釣り師がペットボトルをラインに通して、根掛りを外そうとしている。なるほどぉと感心する。しかし、外れない。ナイロンラインが切れたようだ。ペットボトルが流れていく。慈愛。
それにしてもまた私のお気に入りの一軍エギが海の藻屑となった。嗚呼。

PM6時50分頃 底土港左先端 嵐の前の静かさ

強風にあおられ、釣り座も取られ、なんだかつらくなってきたので、同行の釣り師匠松矢はんに「そろそろ風のあたらなそうな神湊の外灯の下でも行ってみる〜?」とやんわりお伺いをたてる。が、さすが師匠。「横さん、僕はシーバスウェーディングで鍛えてますから、回遊待ちにはなれているんですよ。もう少しここで頑張りましょう」なんだか説得力のあるお言葉。気合を入れなおして、エギを替えてキャストする。エギは最近かなりお気に入りのMONSTER-ONE/DEEP赤-パープル/ピンク 4.25号。白アワビシートがモンスターに効くという噂なので、ちゃっかり細長く切って貼り付けてある。追い風に乗っていい感じで飛んで行く。風でラインだけ無駄に出て行くのでベールを戻す。しっかりフォールさせたいので、まぁその間一服、と思うが風でぜんぜん煙草に火がつかない。うぉ、このままじゃぁまた根掛るとあわててしゃくる。

PM6時50分頃 底土港左先端 戦闘開始


「うは!また根掛りやぁ!」
「横さん、釣れてるって!」

確かに弓なりにしなった84Hの穂先がずいんずいんしている。ロッドを45度に立てたまま、ゆっくりリールを巻く。Exist2506のスプールを見ると、巻いているのにドラグがずるずると出て行くだけ。ドラグを絞めようかなと思った矢先、少し巻けたのでロッドの重みに耐えひたすら同じ速度でゆっくり巻く。とにかく浮き上がらせなくては、とだけ考えていたような気がする。前日の3.3kgより明らかに重い。夢の4kg?否、もしかしてロープか傘か?気が付くとリールを巻く左手には100円ライターを持ったまま、唇には火の点いていないラッキーストライクをくわえたままだ。

腕が相当つらくなってきた。するとロッドがふと軽くなる。20メートルぐらい先の暗い海面に烏賊が浮いた。PETZLのヘッドランプ、 ティカXPを点ける。烏賊がいるとおぼしき先を照らす。 なんだかでかい!とてつもなくでかい!ていうか、エイリアンかお化け。ふと気分はゴーストバスターズのビル・マーレイになる。バックグラウンドミュージックはファイナルファンタジー8の戦闘シーンの曲。これは気持ち半分嘘だけど、半分マジ。

怪しき巨大烏賊はぬぉ〜っと海面を寄ってくる。腕の痺れは相当のもの。ここでヒーロー松矢師匠が颯爽と自分のギャフを構える。烏賊がさらに寄る。ギャフは海面近くに。テンションを抜くまいとロッドを立てふんばる。ジィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜と、全速力でバックギアに入れた車のエンジンのようなドラグ音。明かりとギャフの気配か、烏賊が走り始めた。

再度なんとか寄せる。もう堪忍やぁ。う、腕がぁぁ。松矢氏のギャフが海面をズブリッと刺す音。

「うわっ!外れた!」
「ジィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「あっ!まだ外れていないッ!」

烏賊が垂直にどんどん潜る。
「ジィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「もう少しほうっておこう!」

気が付くと、地元根掛り釣り師の人も、他の釣り師も周囲に集まってきている。

また烏賊が浮いてきた。

「横さん、竿持ったまま下がって!」

堤防際に烏賊を寄せようと努力する。下がったので私からはもう海面は見えない。松矢師匠がギャフを入れる。私には彼の背中しか見えない。すると、今まで見たこともない物体がでろんと防波堤の上にあがった。

「なんじゃこりゃぁぁぁ」
「でけぇ〜〜〜」
「うわ〜〜」
「やっぱいるんだね、火星人!」
「おめでと〜〜う!」 

後でわかることになるが、胴長60センチ、重さ5.4kgの烏賊だった。

PM7時10分頃 底土港左先端 感謝

烏賊はあがった。私は放心状態で烏賊を見つめている。気が付くと松矢師匠はロッドを振っている。地元釣り師も必死になっている。柳の下の烏賊狙いだ。おずおずと松矢師匠にたずねる。

「ねぇ〜、写真、デジカメで撮ってぇ〜」
「もちろん!……あ、電池ない!」

なんとかデジカメ再起動(?)で1枚だけ撮るのに成功。
この後、「烏賊につけないでよ!」と冗談を言われつつもメジャーを借りて、しっかり烏賊につけて計ると胴長が60センチあった。


(松矢健一郎氏撮影。。。ピントがぁぁ!)


とても私一人であげられた烏賊ではなかった。松矢師匠がいてこそである。あふれんばかりの感謝の気持ちであった。彼は釣りつづける。華麗なるキャストで。他の釣り師が私の烏賊の足を通りがけら踏んで驚いた。「こんな所に置いてたらいかんですよねぇ」と烏賊を灯台の下の隅に寄せる。私は興奮と放心状態で、1回キャストするも、もう釣りをできる状態ではなく、また烏賊の前に座り込む。彼はまだ生きていた。目が合った。2本の一番短い触手を私のほうに向けて揺らしている。

ほんとうにすごい烏賊だ。私は彼がここまで育つ過程を想像してみた。多分、私よりも真剣に生きた1年だったのだろう。すごい1年だったのだろう。私のこの1年も考えてみればかなり大変だった。奴に尊敬の念がじわり。ちょっと目頭がじわり。ごめんな。合掌。……でも、食べるよ。


PM7時30分頃 底土港 最後の戦い

振り返ると松矢師匠は必死にキャストしている。いざ、食べる方に意識が向くと、強風の中、烏賊が防波堤の上でどんどん乾いてゆくのに気が付いた。このままでは一夜干になってしまう。どうやって車まで運ぶのかも不安になってきた。エバーグリーンのウェストポーチにはA3のジップロックがあるが、到底入る大きさではない。烏賊が乾いてゆく……。松矢師匠は必死にキャストしている……。

「どぉ?」
「僕はまだまだやりますよ」
「ちと、俺、烏賊始末してくるわ。どっかでゴミ袋買って、冷凍してくれるとこさがしてくる。ちともう釣りできへんし」

松矢師匠に4号以上のエギが入ったケースを貸し、なおかつデカイカを釣った同じ予備のエギも、ギャフ入れのお礼に献上し、私は師匠を残して防波堤を一旦去ることに決めた。師匠がさらなる大物を釣ることを祈って。

エギで烏賊をひっかけ駐車場まで歩き出した。途中、今回かなりメインキャストになってきた地元釣り師に「烏賊、見られないようにな!すぐ人が寄ってくるぞ!」と警告される。堤防の先から駐車場まではかなりの距離がある。右手で吊り下げた烏賊が強風にはためく。歩きながら烏賊の足を踏んでしまう。右手を順手から逆手にかえる。手がしびれる。左手に持ちかえる。しびれる。逆手にする。しびれた。力尽きそうになったので、レインコートの袖に烏賊汁がついてしまうのも構わず、右腕に背負う。それでもしびれる。左腕に背負う。ヘッドランプも師匠に貸してしまったので、道を間違える。烏賊汁がジャージや靴にかかる。嗚呼、慣れない堤防はいかん。

なんとかレンタカーにたどりつく。ここでいたずら心。ボンネットの上に烏賊を乗せて携帯で写真を撮ろうと思う。しかし、烏賊がずり落ちる。ボンネットに吸盤が貼り付いて取れなくなる。誰も見ていないのを確認し、ボンネットに貼りついた烏賊と挌闘する。

小さいクーラーになんとか烏賊の下半身、否、足と頭部を突っ込み、もれだした先にA3のジップロックをかぶせる。車を始動させる。

カラカラカラ。

ロッドをバックミラーにたてかけたままだった。ブレーキを踏み、ロッドを車中に折りたたんで仕舞う。危うく、横浜サンスイ海釣り館の山下さんにまたお世話になるところだった。はぅ、まったくもってして平常心ではない。アクセルを踏んで、夜の八丈を走り始める。

PM7時30分頃 神湊港 八丈島フィッシングCLUB 安堵


スーパーに行けば良いのか?ゴミ袋はどこにある?借りている部屋の冷蔵庫には入らない。慣れない八丈で道に延々と道に迷って、朝まで師匠松矢氏をを堤防に置き去りにするわけにはいかない。悩んだ。

そうだ、前日6号のエギを買った八丈島フィッシングCLUBさんに行こう!なんとかなるはずだ、ただしまだ開いていれば。海沿いに車を走らせ、神湊港に着き交差点を曲がる。明かりが点いていた。

「すみませ〜ん、ちょいと大きい烏賊つれたんで、計ってもらえますかぁ」

店の中には常連さんなのか、数人の方がいた。みんなガヤガヤと外に出てくる。小さいクーラーから烏賊を引っ張り出す。

「お〜、大きいじゃん」

八丈島フィッシングCLUBの久保田さんが検量すると5350gだった。かなり飛び散った烏賊汁と乾燥度合いをおまけして「5.4kg!
」ということとなった。メジャーで計ると、さっきは胴長60センチだったのが58センチだった。縮む?烏賊って?

(この話続く。。。)

(撮影:八丈島フィッシングCLUB 久保田様)

(撮影:八丈島フィッシングCLUB 久保田様)


執筆途中版
追記&更新予定
連絡先:ikaikaika@yokoyama.com

blogにて更新予定?? => 横浜烏賊ブルース